あの強烈なラフロイグの正露丸っぽい香りについて。なぜ臭いのか

ラフロイグといえば、正露丸のような香りが特徴的です。

ラフロイグを初めて飲む人の大半が「くっさ!笑」という反応をするぐらい強烈な香りですので、ある意味会話が弾むきっかけにもなる香りといえます。

では何故ラフロイグはこんなに強烈な香りを放つのでしょうか?

その原因はピート(泥炭)にあります

ピートは植物が分解されずに積み重なった地層で、これが長い年月を経て地下深く埋没するとやがて石炭に変わります。つまり、ピートも石炭同様に燃料になります。

ラフロイグの製造工程では、ウイスキーの原料となる大麦を水に浸して発芽させた後、ピートを焚いて麦芽を乾燥させますが、その時の燻煙によってピートの香りが麦芽に染み込みます。

このピートの香りこそが正露丸の匂いの素なのです。

ピートの香りと一言で言っても産地によって香りは異なるのですが、ラフロイグの製造工程で使われているピートには海藻の成分が多く溶け込んでいます

そして海藻にはたくさんのヨウ素(ヨード)が含まれます。

その結果として、ラフロイグから正露丸のような、または消毒液「ヨードチンキ」のようなヨード臭がすることにになるのです。

ちなみに、ラフロイグの原料のうち仕込み水もピート層から浸透してきた水を使っていますので、これもラフロイグのヨード臭の要因となっているでしょう。